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YAMAHA MG-M series

現在もYAMAHA MG-M(松本孝弘)シリーズが大好きと言う皆様に向けて書いたちょっとした“読み物”です。現在存在するMG-Mシリーズを皆様と一緒に遠くの未来まで連れて行きたい想いを込めて書かせて頂いてます。又、正解や参考にと書いた物では有りませんので、いいなと感じれた部分だけ自由に抜き取って貰えたらなと思います。

YAMAHA MG-MⅢ (ZF)

f:id:mg-m2:20190913030808j:image市販された松本孝弘モデルの第4作目でもありYAMAHA MG-Mシリーズからは惜しくも最後になってしまった“MG-MⅢ”は、1993〜1996年の僅か3年間の販売で生産終了されました。ちなみに当時の価格設定は¥88,000(税抜き)でした。

このMG-MⅢは生産数が少なく程度が良い個体も非常に少ない為、タイミングも相まって入手に時間が掛かりました。

前作までの入手事情とは異なり、ロック式トレモロ搭載モデルの3兄弟として最終的に所有したくなり購入したものの?手元に来てからはやはり激愛してしまうエレキギターとなりました。
f:id:mg-m2:20190913030748j:imageそんなMG-MⅢはMG-Mシリーズとしてラインナップに加わりましたが、シグネチャーモデルMG-M Custom(ゼブラ)の正式な“廉価版”となり実際に本人が使ってないモデルになってしまったエレキギターでもあります。

それまでのMG-Mシリーズは使用されたシチュエーションは別として、一応は市販モデルもライブ等で登場はしてたので心の支えでもありました。

そんなMG-MⅢ....いゃ、本家のプロトタイプと呼ばれるモデルは『LIVE RIPPER』から、そしてMG-M Customはアルバム『The 7th Blues』で使用されました。その印象からゼブラフィニッシュのMG-MⅢに憧れを持ったファンは多いかと思います。

それでは所有のMG-MⅢを画像を添えて見て行きたいと思います。

f:id:mg-m2:20190913030839j:imagef:id:mg-m2:20190915020830j:image【BODY】

前作までも紹介しましたが、MG-MⅢもまた2〜3ピースで形成されバスウッド材を使用されてます。

しかしこれまでのMG-Mシリーズとは違い全体的にエルゴノミック形状かつ湾曲されたボディラインの面影はなく、サイドエッヂの効いたデザインになった事とアーチドトップに変更されます。

そしてMG-MⅡGと同じく目を引く派手さを持つゼブラフィニッシュ。白黒なのでアクの強さは少し抑えられてる気もしますが、とってもシマウマです。又 白い部分には僅かなミントグリーンの様な色味が足されてます。

ここからは補足ですが、本家MG-M Customのコンセプトがレスポールにロック式トレモロを搭載する意図で造られた為にこうしたシェイプデザインになったようです。
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f:id:mg-m2:20190913030855j:image【HAED】

ヘッドはMG-Mシリーズのトレードデザインでもある様なので全く同じ形状ではありますが、YAMAHAロゴが大柄になり立体的に見えるデザインに変更してます。なので後に続く小文字はMG-MⅡGまでとなってます。

そしてGOTOH製ペグは同じく採用され、所有のMG-MⅢは93年の製造なのでシリアルNoとMADE IN JAPANは刻印です。

ちなみにMG-MⅢは96年までの3年間の製造....この時点で前・後期と呼べるのか分からない事と、“印字が後期モデル”と書き続けてますがMG-MⅢでは見たことがないので断言は控えさせて頂きます。
f:id:mg-m2:20190913030826j:image【LOCK NUT】

MG-MⅢもYAMAHA独自構造のロックナットを採用されてますのでナット枠に内蔵されたイモネジで自由に高さ調整ができます。

そしてこのMG-MⅢはキャップスクリュー(ボルト)が製造年に関係なく3mmで統一されてます。

更に黒塗装が施され錆び対策がされてます。が、YAMAHAの黒塗装は錆び易いのが当たり前の様になってますので悲し所です....
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f:id:mg-m2:20190913030759j:image【FINGER-BORD/NECK】

MG-Mシリーズは指板,ネック,ヘッドはメイプル材を使用し3ピース構造です。

ただ前作までとは異なりネック長はミディアムスケール(628mm)となりレスポールと同じ長さになってます。

更にネックの厚みも丸みのある太目に変更し明らかな違い&使用フィールになる他、ドット柄のポジションマークがデザイン付きになってます。f:id:mg-m2:20190913030803j:image
f:id:mg-m2:20190913030818j:image【SCARF JOINT】

これまでのMG-Mシリーズは “SUPER PLAYABILITY JOINT”と言うYAMAHA独自のボディ側を1段落とし込んだ形状でしたが、今作のMG-MⅢは“ORIGINAL THICK-TAIL JOINT”方式を採用してます。

利点はヒールジョイントとネックの厚みを持たせる事でワイドなダイナミックレンジとロングサスティンを確保するとのこと。

以前のスマート差はないものの、ハイポジションでの使用感はなだらかで特に問題も無く、よく言えばジョイントに剛性感を強く感じられるので今ではこちらが好みだったりします。
f:id:mg-m2:20190913030822j:imagef:id:mg-m2:20190915021316j:image【BRIDGE】

もうMG-Mシリーズではお馴染みの“Rockin’ Magic-ProⅡ” が今作でも搭載されてます。

特徴は以前紹介したMG-MⅡ/MG-MⅡGでも書いてますので今回はあえて省かせて頂きますが、マウントの仕方が実は違います。

このMG-MⅢではスタッドボルト(受け軸)のだいぶ後方でザグリが終えてる為にアームダウン時の可動域が非常に狭い気がします。

ここからは憶測ですが、本来MG-M Customでは“RM-ProⅢ”が搭載されてます。このRM-ProⅢはナイフエッヂ加工がされてるのではないかと思い、その為にザグリが後方で終わってもダウン量は以前と変わらないと勝手に思ったりもします。(しかしMG-MⅢはMR-ProⅡを採用)

又、アーチドトップのお陰でRM-ProⅡを以前の様に水平マウントさせると尻上がりになります。なのでセッティングの際にボディ水平に目を奪われると、アームアップ量が急激に狭まり困惑してしまうので注意が必要な箇所と思われます。
f:id:mg-m2:20190913030845j:image【WHEEMY BAR】

MG-MⅢはアーチドトップのお陰か個体差かアームバーがボディに若干近く握りやすい印象です。これは弦高の問題もあるのであくまでも所有機の話しにしときます。

そしてアームバーのコンディションとして、ちょっと所有機の中ではダメージが多目です。中古購入なので仕方がありませんが....

f:id:mg-m2:20190913030835j:imagef:id:mg-m2:20190915021443j:image【PICK-UPS

これまでもMG-MⅢは前作までとの違いが多くありますが、ピックアップもまた異なって来ます。

先ず画像の通りセンターのシングルが省かれて前後のハムバッカーのみ、つまりレスポールを意識しての配列です。

ちなみにフロントは前作MG-MⅡGと同じく“LIVE-GH1”(アルニコV)ですがダイレクトマウントに変更され、リアには新たに“LIVE-GH6”(アルニコV)が乗せられました。

LIVE-GH1とLIVE-GH6の組み合わせはパワフルな味付けが印象です。流石にMG-MⅢ(廉価版)ではレスポールの様な芯から太くウォームなサウンドは望めませんが、MG-Mシリーズ中で1番ハードでタイトな出音に感じました。

特にフロントのLIVE-GH1はマウント方式が違う事で輪郭よく抜けが若干UPした気がします。リアのLIVE-GH6は歪みに特化したイメージを持ちます。
f:id:mg-m2:20190913030830j:image【SELECTOR SW】

ピックアップがフロント&リアのツーハムバッカーなので切り替えはミックスを合わせて3Pセレクターです。この事でもレスポールを意識した事は分かります。

更にサウンドについて話しを進めますが、MG-Mシリーズはセンターのシングル音がある意味美味しい部分でもありましたが、初のハムバッカーのみのミックスが可能なので新しい組み合わせから以前のバイサウンドとは違う素晴らしいサウンドを奏でます。

特にクリーン&クランチでのカッティングやアルペジオは密度の高い丸いサウンドでお気に入りです。
f:id:mg-m2:20190913030849j:image【JACK】

このジャック部分にしてもMG-MⅢは違います。とは言ってもレスポール風ではなく、画像の様にザグリを設けてシールドがボディ側へと深く差し込める形状になってます。

この事でL字のジャックはロックまで届かず、本当にストレート形状の物でないと使用できない仕様です。

更にジャック位置もストラップエンドピン側へ移動してます。この事でストレートジャックでも座って弾く際に邪魔になりません。

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f:id:mg-m2:20190915022835j:image【STRAP PIN】

ストラップピンはMG-MⅢでまたテーパー部分から底まで短いタイプに戻ります。

前作のMG-MⅡGでは前・中・後期で違いを見せてましたが....

ちなみにこのストラップピンの設置も以前と違いを見せる感じでボディセンターからオフセットされ取り付けられてます。

これも憶測ですが、本家のMG-M Customは木材の仕様が異なって非常に重量があるモデルと知られてます。この事で立奏の時のバランスの影響でオフセットされてるのではないかと....

しかしMG-MⅢではディティールをできる限り再現した為にストラップピンもしっかり真似たのではないかと思うのです。

 

【あとがき】

今回はMG-Mシリーズの最終もあるMG-MⅢ(ゼブラフィニッシュ)について書いてみました。

所々に本家MG-M Customとの比較文章が少々ありますが、MG-MⅢは十分に松本孝弘ファンを楽しませてくれる部分は健在&ディティールの面でも再現されてると思います。

その事で所有する喜びと弾けて楽しい気持ちが溢れんばかりにあるので、当方は大満足なエレキギターとして大切にしてます。

そしてMG-Mシリーズもモデルによっては販売してから最大31年を迎える個体もある中、現在ではどれだけ未来まで持って行ける個体があるのだろうと考えてしまう時があります。

そんな思いの中で当方の所有機は今日もまた弾かれて行くのです!

MG-Mシリーズ、本当に楽しいモデルです。一人でも多く興味が湧いて頂けたら嬉しいです。