YAMAHA MG-MⅡG (NL)
市販され松本孝弘モデルの第3作目でもある“MG-MⅡG”は1991〜2002年まで12年間に渡り販売されました。ちなみに当時の価格設定は¥85,000(税抜き)でした。
このMG-MⅡGは初めてエレキギターを購入した事もあり、MG-Mシリーズ史上の特別に思い入れのあるモデルでもあります。
その事から現在ではMG-MⅡGだけでも全4機を所有しており、練習用と使い分けて更に部品取りの個体までストックしてます。
それはさて置き、MG-MⅡGはご存知の通りミニアルバム『MARS』から使用し、TV出演では “孤独のランナウェイ” でお披露目したのを覚えてます。
更にアルバムでは『IN THE LIFE』でメイン使用のプロトタイプをフル活用する中、この市販モデルもライブのみ? “快楽の部屋” での使用とサブギターとしてもう1機用意されてたのは有名な話しです。
そんなMG-MⅡG、今回も所有する1機として画像を添えながら話しを進めて行きたいと思います。
【BODY】
MG-Mシリーズは安価なモデルギターの為にボディを基本2〜3ピース構造で形成されてます。
そしてカラーの方は前作とは一気に変わり、ド派手かつアクの強いデザインになったSpecial “NEON-LIGHT” GraphicとしてトップにNEON管を走らせた動きのあるラインが無数に飛び交います。
このライン自体は完全にプリントでその上からクリアーを吹かれてますが、経年劣化で色飛びし易く所有機も含めパープル色が抜け気味です。
ここで余談になりますが、このライン幅や色味で製造年が異なり、前・中・後期と判別できたりする他にも作りが微妙に異なって来ます。
【HAED】
ここは前作同様で書くことはないのですが、全く触れてなかったペグに汎用品ではなくデフォルトでGOTOH製が採用されてます。
これは全MG-Mシリーズ(安価なモデル)には採用されてるので、安定したチューニングと耐久性を考えると嬉しい所です。
又、ヘッド裏にはシリアルNoとMADE IN JAPANの刻印は健在です。が、後期モデル(96〜97年製造)となるとこれらが “印字” に変わって来ます。
【LOCK NUT】
ロックナットの機能は全MG-Mシリーズ同じです。なのでナット枠の左右の穴にイモネジが仕込まれてるのでHexレンチ(六角)で回して自由に高さ調整を可能にしてます。
ここで市販モデルのちょっとした前〜後期に渡っての違いですが、所有機は91〜94年製造で前・中期型?なのでキャップスクリューは4mmです。
ですが先ほど書いたヘッド裏の文字が印字の後期型の場合は3mmに変更されてます。又、面白いのは各パーツに黒塗装と地金タイプが存在することです。あとトラスロッドカバーも若干形状が異なって来ます。
【FINGER-BORD/NECK】
MG-Mシリーズは指板,ネック,ヘッドと分かれてメイプル使いの3ピース構造で形成されてます。
指板Rは350でサテンフィニッシュ(艶消し仕上げ)のサラサラした使用感、そして628mmのロングスケールです。
その事から基本は前作同様に薄からず厚からずの絶妙なバランスではあります。が、何故か年代別で厚みの方で違いが見れます。個体差でしょうか?それとも....
【SCARF JOINT】
ネックとボディを連結するこのジョイント部分をYAMAHAは “SUPER PLAYABILITY” と名付け、ボディ側を1段落とし込みを設ける事で最高音域までを確実に弾きこなす為のアイディアが詰まってます。
又、4点式ボルトON留めを採用してますが、他社とは異なるセパレート式プレートで独自構造に拘りを見せてるかと思われます。
特に前作との違いはプレートの塗装処理以外ありませが、YAMAHAのブラック塗装は汗に弱く錆び&くすみが目立つので綺麗に保つには使用後の拭き掃除はこまめに....でしょうか?
【BRIDGE】
MG-Mシリーズに搭載されたロック式トレモロを “Rockin’ Magic-ProⅡ” (以下:RM-ProⅡ)と呼び、YAMAHA独自構造のパーツの1つだったりもします。
利点はやはり弦交換の際にボールエンドのカットを必要としない部分、それとオクターブ調整にはサドルのネジを緩めただけでは前後はせず、ストリング・ロックスクリュー(3枚目の画像)の下に並ぶ6本のネジを回す事で弦を緩めずに調整可能なのがポイントです。
またRM-ProⅡ(弦高)を深く下げれるのも魅力で、弦とボディの接近具合が弾き心地良いのもポイントに感じます。
【WHAMMY BAR】
アームバーも前回の説明の通り独自構造のお陰で純正品は今となっては貴重です。
練習用としてるMG-MⅡGは別として、所有するメイン機等はロックとテンションダイヤルなど良好で、アームバーも比較的に綺麗な状態を保ててます。
ある意味 中古購入でオリジナル維持を視野に入れる方はチェックポイントになるかと考えます。
【PICK-UPS】
MG-MⅡGはH-S-Hの配列は同じですが、前作のMG-MⅡとは異なりフロント/リアに “LIVE-GH1”(アルニコV)が搭載され、センターのシングルはそのままに“FOCUS-SS1(アルニコV)です。
つまり以前とは若干違う事からサウンドメイクも同時に調整する必要が出てくる他、よりディストーションサウンドに特化した雰囲気を感じるので前作MG-MⅡでのダンサブル&エレクトロニックな雰囲気よりも、アルバム『IN THE LIFE』の楽曲で目立つポップス&ロック寄りの要素に寄せ易い味付けに思います。
又、エスカッションマウントなのでデフォルトで高さ調整だけではなく前後の調整も可能なのが嬉しいです。
【SELECTOR】MG-MⅡGまではピックアップがH-S-Hかつ5ウェイセレクターなので、センター(シングル)とのミックスにする際に前後のハムバッカーは自動でシングルに切り替りシングル同士のサウンドになります。
このタップ機能をYAMAHAでは “バイサウンドシステム” と呼びますが、その出音(クリーンカッティングやコーラスを交えたサウンド等)は当時のあの音の雰囲気に近い気がします。
ただセレクター位置がヴォリュームより後方で切り替えてずらい部分がありますが、不用意に切り替わらない事を本人(松本孝弘)が望んでの配置なので仕方のない問題でもあります。
【STRAP PIN】
ストラップピンは前作MG-MⅡでも書きましたが、テーパー部分から根元までの距離が違う事でストラップ装着の際のゆとりが変わって来ます。
このMG-MⅡGでは少し長くなってるのでストラップに樹脂製ロックピンを装着させても十分に動きます。※)最終的にストラップ厚によります。
又 前〜後期の生産時期で実は変わるので結局の所は正確に言えません。が、更に塗装処理も異なって来る部分でもあります。
ちなみにこの話しではなるべくオリジナルパーツの維持に拘る場合で、アフターパーツに交換するなら関係ない事です。
【あとがき】
今回はMG-Mシリーズの中でも最も思い出深くお気に入りのMG-MⅡG(ネオンライトグラフィック)について書いて見ました。
このボディに描かれたラインも経年劣化でやはり脱色が見られるものの、他に見ないデザインでもあり印象強く残る部分から(松本孝弘ファンなので)非常に気に入ってます。
又 市販モデルは本家よりもラインが細いため逆に垢抜けつつ、赤色が強い物の方が洗練され実は好みだったりもします。
まぁ、このMG-MⅡGをどう思うかは自由として?こうして記録がてらにもなり書けた事は楽しかったです。
もしこの機会にMG-MⅡGが気になる存在になりましたら、早速オークションや楽器屋巡りなどしてみてはいかがでしょうか?!
最後までありがとうございました。