YAMAHA MG-MⅡ (BSB)
市販された松本孝弘モデルの第2作目でもある“MG-MⅡ”の販売を開始したのは1990〜2002年の12年間。ちなみに当時の価格設定は¥75,000(税抜き)でした。
当方は中古で約半額で入手したのでその時点で既に経年劣化はありましたが、現在でも大事に使用しております。
そんなMG-MⅡ、所有する物になりますが画像を添えて各部の紹介をしながら話しを進めて行きたいと思います。
このMG-MⅡを手にしたきっかけ、それは松本孝弘ファンだから....というのは勿論のこと、B’zのアルバム『RISKY』の使用で憧れでもあったからです。
そもそもMGシリーズは1本のエレキギターとして見ても非常に扱い易く、当時の製品にしても十分な機能を備えていたため購入は必然だったのかも知れません。
と、前振りはこの辺にしまして本題に入って行きましょう!
【BODY】
MG-MⅡは2〜3ピース構造のバスウッド材で作られています。又カラーもブルーサンバーストで中央に向かうにつれライトブルーへとグラデーションが掛かります。
このブルーサンバーストもメタリックの様なパール感があり非常に色濃く鮮やかなで無機質な雰囲気を出します。
更にボディシェイプもMGシリーズならではのエッジの取れたデザインで、本当にエルゴノミックな抱え心地に加え自然にフォームも整う感じです。
【HAED】
MGシリーズはボディシェイプもですが、もう一つのトレードデザインとしてヘッドも挙がるかと思います。
このアイスホッケーのスティックを思わすオリジナル形状はバナナヘッドとは違い、ストレートに伸びて整った感じが非常に好みです。
更にYAMAHAロゴと後に続く小文字なども当時ならではの細やかデザインで拘りを感じる他、ヘッド裏もシリアルNoと共に “MADE IN JAPAN” の刻印が押されてるのもポイントかなと感じます。
【FINGER-BORD/NECK】
メイプル材を使用した指板,ネック,ヘッドは3ピース構造で形成されてます。
指板Rは350でサテンフィニッシュからマッド仕上げかつサラサラ質感でスムーズな移動が可能です。
又、ネックシェイプも薄からず厚からずの絶妙な厚み&幅から弾き易さに一役買ってる気がします。
余談ではありますが、この頃のMG-Mシリーズはフレイムやバーズアイと言った個体も多く、当方の所有するMG-MⅡは薄っすらとネックにフレイム(杢目)が出てるのが見えます。
【LOCK NUT】
MG-MⅡ以降はロック式トレモロが搭載されてるのでロックナット&テンションバーが設けられてます。
このロックナットもYAMAHA独自構造でナット枠に備えたイモネジで自由な高さ調整を可能にしてます。
又、MG-Mシリーズでは前期〜後期でキャップスクリュー(ボルト)のサイズが異なり、画像は91年製造の個体(前期)の為4mmが使用されてます。他にナットキャップ(駒)の穴もサイズが合わされてるので紛失すると厄介でもあります。
【SCARF JOINT】
ネックとボディを連結するジョイント部分は “SUPER PLAYABILITY JOINT” と言って、YAMAHAが拘った構造で1段落とし込んだ設計になってます。この事でハイポジションも楽々と行き来できるのでストレスフリーです。
そして4点式ボルトON留ですが、分厚いプレートをボディ側に深いザグリを設けてハメ込んでネジを固定してます。
この部分はサスティンの確保とアーミングの際のチューニングの安定に結び付く箇所でもありますが、経年劣化orハズレ個体は音を立ててガタ付くという情報があります。
【BRIDGE】
MG-MⅡ以降はロック式トレモロなので “Rockin’ Magic-ProⅡ”(以下:MR-ProⅡ)が搭載されており、YAMAHA独自の構造が幾つか有ります。
1つは弦交換の際にボールエンドのカットの必要がない事と、ストリング・ロックスクリュー(ボルト)を締めてロックインサートでプレスする二重ロックスタイルです。
更にオクターブ調整もサドル固定ネジを緩めても前後移動はされず、ストリング・ロックスクリューのもう1段下にあるボルトを回して初めて調整できます。
これは専用のオクターブ調整ツールがデフォルトで備わってるので弦の緩め作業が省かれるというイメージで良いかと思います。
そんなRM-ProⅡは部品点数が多く重量があります。この重量はRM-ProⅡのサスティンブロックの質量を補う為でもあり、軽いバスウッド材でロングサスティンを得る為のリカバリー設計と言う事も含まれるらしいです。
【WHAMMY BAR】
これまでにYAMAHA独自構造の部品の紹介がありましたが、このアームバーも同じくポン付けでは流用が効かないパーツの1つと言えるでしょう。
例えば差込み部分の長さ(ボディまでの高さに直結)だったり、ロックする際の先端溝、他にアームを振るテンションを決める根元のダイヤルとその中の真鍮製の筒、これらの破損や紛失だけで固定がされず使えなくなるのです。
やはり独自構造というのはパーツを含め販売中止された現在は厳しい所です。【PICK-UPS】
MG-MⅡはH-S-Hの配列で、フロント/リア:FOCUS-GH1(セラミック)。センター:FOCUS-SS1(アルニコV)が搭載されてます。
センターのシングルに関しては後の“MG-MⅡG”と同じですが、ハムバッカーだけは専用のピックアップになってます。
サウンドは正に “それっぽい” 出音で、初期B’zのダンサブルでデジタルっぽい雰囲気には特別マッチ。ディストーションサウンドで音ヌケも気にならず、クリーンやアルペジオ、更にカッティングまで多彩に熟せる風に当方は感じます。
又、エスカッションマウントでピックアップ高だけではなく、前後の傾きも微調整できるネジもあるので細かく好みにセッティングできます。
【VOLUME/SELECTOR】
ピックアップがH-S-Hなので5ウェイセレクターになります。
この5ウェイセンターはセンターとのハーフトーンにした時に前後のハムバッカーは自動でシングルに変更されてシングル同士のミックスになる構造です。
そのセレクターはヴォリュームノブの後方で切り替えが非常に遠いのですが、松本孝弘 氏 本人はレコーディング時にしか頻繁に切り替えない、ハードなアクションで不用意に当たらない箇所にと言う事でこの位置に決まったそうです。
又、1ヴォリュームも当時は他の機材でトーンコントロールしてたスタイルだった為に、シンプルな操作として1ヴォリュームのスタイルになったと言われてます。
【JACK】
ジャックはボディの側面、斜め下側に埋め込んで設置されてます。
この薄型かつ湾曲の多いボディにスッキリ収まるデザインで凄く似合ってると思います。
ただシールドを差し込む際に目標とする物がなく目視せず挑むと彷徨う時がチラホラあります。
この時にガリッと塗装面を傷付け易いので非常に気を使います。
【STRAP PIN】
ストラップピンはテーパー部分から底までが異様に短く、厚めのストラップだとそれだけで窮屈になります。
当方はダンロップの樹脂製ロックピンの使用をしてる為に少し問題を感じますが、なるべくオリジナルパーツの維持を心掛けていますので我慢してます。
ちなみに前後期でこのストラップピンの奥行きにパターンがあります。更に黒塗装されてるのもあったりします。
【あとがき】
こうしてMG-MⅡの事を書いて見ましたが、多くの画像を添えた分 比較的に色々とスペックを混じえて書けた気がします。
やはりディティールを見て行くのに至近距離からの画像は役に立ちますし、これからMG-MⅡの購入を考えてる方にとっても楽しめるのではないかと勝手に思えたりもします。
実はこの記事?他のSNSでも書いてたらりしますので同じ画像があるはずですが、それもMG-Mシリーズ好きに向けた事だったりします。
各自それぞれ思い入れもある事でしょう....そんな当方もお気に入りのエレキギターですので、一緒に楽しめたらなとBlogを始めてみました。
ちょっと長くなりましたが、引き続き所有するMG-Mシリーズをお楽しみ下さい。